
韓国に6か月以上滞在する外国人は、国民健康保険(NHIS)に自動加入となります。加入時期、保険料、病院の利用方法、保険料未納によるビザへの影響など、留学生が知っておくべきすべての情報をまとめました。
韓国に来て最初の数か月は、健康で病院に行くことなど頭に浮かばないことがほとんどです。しかし、風邪を引いたり怪我をしたりして急にクリニックを訪れたとき、「あれ、健康保険って入ってたっけ?」と疑問に思うことになります。
韓国の国民健康保険(NHIS)は韓国の義務的な公的医療保険制度であり、韓国内に6か月以上滞在するすべての外国人が自動加入となります。保険の適用開始時期を知らないと、全額自己負担になってしまう可能性があります。また、保険料の支払いが滞ると、ビザの更新にも影響を及ぼしかねません。
本ガイドでは、加入時期、支払い金額、未納時のリスク、保険適用後の病院の利用方法など、留学生に必要な基本事項をわかりやすく解説します。

韓国の国民健康保険(NHIS)とは
外国人にも加入義務がある韓国の公的医療保険
国民健康保険(NHIS)は、韓国政府が運営する公的医療保険制度です。病院や薬局を利用する際、費用の約60〜70%が保険から給付され、自己負担分のみを支払う仕組みになっています。
例えば、近所のクリニックで風邪の診察を受ける場合、実際の診療費は20,000〜30,000ウォン(約15〜22米ドル)程度かかりますが、国民健康保険が適用されれば5,000〜8,000ウォン(約4〜6米ドル)程度の支払いで済みます。加入しているかどうかで4〜5倍もの差が生じます。
2019年7月以降、韓国に6か月以上滞在するすべての外国人に対して国民健康保険への加入が法律で義務付けられました。これは任意ではありません。保険料の未納はビザの更新や韓国への再入国に影響を及ぼす可能性があるため、長期滞在を予定している場合は制度の理解が必須です。
💡 TIP: 国民健康保険の公式ウェブサイト(www.nhis.or.kr)では英語での案内が提供されています。加入状況や保険料は「The K-NHIS」アプリから確認できます。
韓国の国民健康保険:加入の時期と方法
韓国入国後6か月で自動加入
多くの人が誤解しやすい点ですが、国民健康保険は自分で申込み手続きをするものではありません。
外国人登録証(ARC)を取得し、韓国入国から6か月が経過すると、申請手続きなしで「地域加入者」として自動加入されます。加入通知書と初回の保険料請求書は、外国人登録証に登録されている住所へ郵送されます。
📍 加入時期:韓国入国日から6か月後
📍 対象者:D-2(留学)、D-4(語学研修)、E系(就労)、F系(居住)など、6か月以上滞在する長期ビザ所持者
⏰ 初回の請求書:加入後まもなく、外国人登録証に登録された住所へ郵送
韓国の企業に雇用されている場合(E系ビザなど)は初日から「職場加入者」として登録され、保険料は給与から自動天引きされます。雇用主がいない学生や語学研修生は「地域加入者」の区分になります。
⚠️ 重要:外国人登録証に登録された住所が古いままだったり不正確だったりすると請求書が届かず、知らぬ間に保険料が滞納になってしまう恐れがあります。引っ越した場合は、必ず出入国管理事務所に転居届を提出してください。
外国人登録証(ARC)の申請がまだお済みでない方は、韓国外国人登録(ARC)ガイドをご確認ください。

D-2およびD-4ビザの留学生は保険料が50%減免
学生の経済的負担を軽減するため、D-2(正規留学)およびD-4(語学研修)ビザ所持者には、国民健康保険料の50%減免が適用されます。
2026年現在、外国人地域加入者の標準月額保険料は約140,000ウォン(約105米ドル)ですが、D-2およびD-4の留学生は約半額の約70,000ウォン(約52米ドル)となります。(正確な金額は毎年改定されます。最新の料率は国民健康保険のウェブサイトまたは「The K-NHIS」アプリでご確認ください。)
この減免は自動的に適用されるため、別途申請する必要はありません。ただし、ビザがD-2/D-4から他の資格に変更された場合(卒業後に就労ビザへ変更した場合など)、減免は適用されなくなり保険料が上がります。
💡 TIP: 学校を通じて民間の留学生保険(大学の団体保険など)に加入している場合でも、国民健康保険とは別扱いとなります。他の保険に加入しているからといって国民健康保険の加入を除外することはできません(両方が同時に適用されます)。
保険料の支払いと未納時の影響
2026年の月額保険料と納付方法
保険料は毎月請求され、納付期限は通常毎月25日です。請求書は原則として郵送されますが、「The K-NHIS」アプリを通じて電子請求(ペーパーレス)に切り替えることも可能です。
📍 納付期限:毎月25日
📍 D-2 / D-4 留学生の月額保険料:約70,000ウォン(約52米ドル、2026年基準、変更の可能性あり)
📍 一般の外国人地域加入者:約140,000ウォン(約105米ドル)
納付方法は以下の4つから選択できます:
① 口座自動振替 — 韓国の銀行口座を登録し、毎月自動引き落としにする方法。最もおすすめです。
② 仮想口座への振込 — 請求書に記載された仮想口座番号宛てに、ネットバンキングやATMから振り込む方法。
③ クレジットカード — 国民健康保険のウェブサイトまたはアプリから支払う方法。
④ コンビニ決済 — CUやGS25などのコンビニで請求書のバーコードをスキャンし、現金で支払う方法。
💡 TIP: 最も安全な方法は、韓国の銀行口座を開設して自動振替を設定することです。郵便物の紛失や住所登録ミスによる滞納を防ぐことができます。

保険料の未納がビザに与える影響
国民健康保険料の未納は、延滞金が発生するだけでなく、韓国での滞在資格に直接影響を及ぼす可能性があります。
① ビザの更新・変更制限
法務部はビザの更新や変更の審査時に国民健康保険の納付履歴を確認します。6回以上の滞納がある場合、滞在期間の短縮や延長拒否の処分を受ける可能性があります。これは卒業後に就労ビザ(E-7など)に変更する際にも同様に適用されます。
② 医療保険の給付制限
滞納中は病院での保険給付が停止され、全額自己負担となります。滞納額を全額完納して初めて保険の適用資格が回復します。
③ 再入国時の問題
未納分を残したまま出国し、後日韓国へ再入国しようとした場合、出入国審査で滞納歴が確認され不利益を被る可能性があります。
⚠️ 警告:「もうすぐ出国するから払わなくていい」と考えないようにしてください。滞納記録は残り続け、将来留学や就職などで再び韓国を訪れる際のビザ申請に悪影響を及ぼす可能性があります。
すでに滞納してしまっている場合は、最寄りの国民健康保険公団の支社を訪問し、分割納付を相談してください。一括納付が難しい場合、最大24回まで分割が可能です。放置せず、早めに公団へ相談しましょう。
国民健康保険を利用した病院の受診方法
実際に韓国の病院を受診する際に知っておくべきポイントです。
① 最初の6か月間:全額自己負担
国民健康保険に自動加入される前(入国後6か月未満)は、保険の適用対象外です。この期間に病院を受診した場合は100%自己負担となります。学校の団体保険や海外旅行保険に加入している場合は、後から保険金の請求が可能かどうか確認しておきましょう。
② 病院へ行くときの持ち物
外国人登録証(実物カードまたはモバイル外国人登録証)だけでOKです。個別の保険証は発行されず、病院側が外国人登録番号で保険加入状況を照会します。窓口では自己負担分のみを支払います。
③ 自己負担額の目安は?
- 町のクリニック(医院)の外来受診:総診療費の約30%
- 総合病院・大学病院の外来受診:約40〜60%(紹介状なしで受診した場合は高くなります)
- 薬局での処方薬:薬剤費の約30%
近所のクリニックで風邪の診察と薬の処方を受けた場合、通常は合計で約10,000ウォン(約7米ドル)程度です。
④ 救急外来(ER)
救急外来の自己負担率はかなり高くなります(約50〜80%)。また、緊急性のない症状で救急外来を受診すると追加の加算金がかかります。軽度の症状であれば、まずは近所のクリニックや夜間診療所を受診することをおすすめします。
⑤「The K-NHIS」アプリのインストール
国民健康保険の公式アプリ(iOS/Android対応)を使えば、加入状況や保険料、診療履歴などを確認できます。英語メニューに対応しており、出国や休学などの資格変更の申告もアプリ内から直接行えます。
💡 TIP: 外国人に対応した病院をお探しですか?韓国観光公社のMedical Koreaページでは、多言語診療に対応している医療機関を検索できます。

韓国の国民健康保険は申請して加入するものではなく、韓国に6か月以上滞在すると自動的に適用される義務保険です。D-2およびD-4の留学生は50%減免が適用され、月額約70,000ウォン(約52米ドル)で韓国人と同じ医療給付を受けることができます。一般的な風邪の受診であれば、薬代を含めて約10,000ウォン(約7米ドル)程度です。
最も重要なのは「請求書の未着を防ぐために外国人登録証の住所を常に最新に保つこと」、そして「保険料を滞納しないこと」の2点です。この2つさえ守っていれば、ビザ更新時のトラブルや予期せぬ高額医療費に悩まされる心配はありません。
